<ぶどう糖の特性>
製造が安価です。吸収が早く、即効性のあるエネルギー源です。「無水ぶどう糖」「含水結晶ぶどう糖」「全糖ぶどう糖」と三種の規格。カルボニル基の位置によってα型とβ型の異性体があり、溶解度と甘味に大きな違いがあります。
<甘 味>
甘味度はしょ糖の70%でさわやかな甘味。
<溶解性>
水に溶けると熱を吸収するので、冷却効果を与えます。浸透性がよく防腐性にすぐれています。
<食品への応用>
さわやかな甘さと冷却効果から、チューインガムに利用され清涼感を与えます。砂糖と併用して、粉末ジュースやチョコレートに使われ甘味をソフトにしたり、醗酵原料としてパンに使われたりします。
<果糖の特性>
果物やハチミツなど自然界に広く存在します。糖尿病患者用。ぶどう糖よりも肝臓や筋肉でグリコーゲンへの変化率が高く、運動中の低血糖を防ぐ効果があります。スポーツ選手のエネルギー補給用として効果的です。
<甘 味>
糖類の中で一番甘みが強く、しょ糖の約1.5倍ありますが、あっさりした甘みです。果物中の水に溶解
| 糖 類 | 甘味度 |
| しょ糖 | 1.00 |
| 果糖(混合) | 1.15〜1.73 |
| α型 | 0.6 |
| β型 | 1.8 |
| ぶどう糖(混合) | 0.64〜0.74 |
| α型 | 0.74 |
| β型 | 0.84 |
した果糖の分子構造は、5員環、6員環、開環構造が混合して、互いに平衡状態になっています。水酸基(−OH)の位置によってα型とβ型があり、β型はα型の3倍の甘味があります。水溶液の温度が冷却されるとβ型が増え、温度が上がるとα型が増えるので、よく冷えた果物は甘みが増して美味しいのです。
<溶解性>
溶解性は高く、しょ糖の2倍、ぶどう糖の約4倍。冷水にもよく溶けます。吸湿性も高い。
<着 色>
褐変温度が低いので、簡単にケーキに色を付けることができますし、固有のフレーバーを与えることができます。
<食品への応用>
以前は、結晶しにくい、溶解度が高い、熱に不安定などの性質から食品加工への応用はコスト高でしたが、澱粉を原料に100%の無水結晶果糖ができるようになり低コスト化を実現、幅広く利用されるようになりました。ケーキ類に使い、風味向上、老化防止、褐変による色づけなどの効果。冷水にも溶けやすく、固有のフレーバー効果もあることから、天然ジュースの製造時に利用。氷点を下げる効果があり、冷菓の組織改良にも役立ちます。
ぶどう糖の甘味を増加させるには、果糖に変えることがもっとも効果的です。このように分子の結合様式を変えて、別種の異性体に変換することを異性化といいます。こうして得られた果糖とぶどう糖、および
その他の糖類に水の混じった液体が異性化糖です。一般には、果糖が55%のものが多く作られています。55%ものの成分は、果糖のほかぶどう糖13%以上、その他の糖類7%以下、水分25%です。
清涼飲料などの成分表示で、「果糖ぶどう糖液糖」とあれば、果糖のほうが多い異性化糖、「ぶどう糖果糖液糖」とあれば、ぶどう糖のほうが多い異性化糖をさします。果糖を含む異性化糖は、清涼飲料や氷菓、果実缶詰、佃煮など広く使用されています。異性化糖の最大のメリットは値段が安いことです。異性化液糖は、温度が低くなるほど甘味が増し、粘性も低くくなるので取り扱いやすくなります。
でん粉は、多糖類に属します。多糖は単糖が7個以上重合したもので、一般に広く存在するのは重合度100以上のものです。でん粉は植物の貯蔵多糖として存在するα-1,4-D-グルカンで分子内にはα-1,4-結合グルカンのアミロース部分とα-1,6-結合で分岐した枝分かれ構造のアミロペクチン部分からなります。
高等植物の種子、根、茎、果実に多く存在。水と混合して加熱すると糊化(α-化)し、放置して冷えると老化してβ-でん粉となります。酸などで部分分解したり、炊飯したときにオブラート状のもの
がフタについていることがありますが、それらはデキストリンと呼ばれる低分子化したものです。
焼き立てのパンや温かいご飯は美味しいのに、時間が経過すると固くなってまずくなります。このいわゆる老化は、でん粉糊(糊化でん粉)が天然の生でん粉のように水に不溶性になり、部分的に結晶性を回復することから起こります。糊化と逆の現象で、でん粉の利用の面からは老化現象が品質の低下の原因となるものも多くなります。
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