肥満はエネルギーバランスの偏りから起こります。つまり、食べ過ぎや運動不足に原因があるのです。
| 1gあたりのエネルギー | |
| 利用エネルギー (kcal/g) | |
| タンパク質 | 4.0 |
| 脂 質 | 8.9 |
| 炭水化物 | 4.0 |
砂糖は嗜好性が強いので、肥満の原因といわれることがありますが、カロリーはそれほど高くなく、単位あたりで比較しても脂肪の半分以下です。さらに、砂糖には食欲をおさえる働きがあり、この点でも、肥満とは関係ないことがわかっています。
他方、脂肪にはそれほど食欲をおさえる働きはないといわれます。それでも、脂肪が肥満の原因とも言い切れず、先進国では、脂肪の消費が減ってきているにもかかわらず肥満は増え続けています。
肥満にはいろいろな要因が絡み合っていて、一つの食品を肥満の原因とすることはできません。むしろ、食品の摂取を肥満の原因とみるのではなく、取り入れたカロリーをうまく消費していないことに原因があると考えたほうがよさそうです。肥満を避けるためには、ゆっくりとした運動を長く続けるのが効果的のようです。
以上のように、肥満と食事の関係はまだはっきりしていませんが、砂糖は、激しい運動のエネルギー源としてだけでなく、筋グリコーゲンの蓄積に有効であることは明らかにされています。筋グリコーゲンの蓄積と運動能力には密接な関係があり、スポーツ選手にとっては、持久力を高めるため、糖質を積極的に摂取してグリコーゲンの蓄積を前もって高めておくことが重要なのです。
虫歯の原因として決まって甘いものが悪もの扱いされますが、砂糖を摂取するからといって必ずしも虫歯になるとは限りません。
虫歯はミュータンス菌という細菌がひきおこすといわれます。砂糖はこの菌によってグルカンという粘りのある物質に変えられ、歯の表面に歯垢としてくっつきます。菌はその中にすみつき、からだの抵抗力が落ちると歯の中に入り繁殖します。これが、虫歯です。
でも、砂糖をまったく食べないのに虫歯になる人もいますし、砂糖をふつうにとっていても虫歯にならない人もいます。先進国では、砂糖の消費量は変わらないのに、虫歯は明らかに減ってきています。これは、虫歯は食事だけでなく、口腔衛生、歯質、唾液の量・質、免疫系といったさまざまな要因が重なってできるものだからです。
砂糖の摂取は、虫歯の一原因ではあることは否定できませんが、食事制限による虫歯予防はあまり効果的とは言えません。虫歯予防には、やはり、歯みがきを徹底するなど口腔衛生に気をつけるほうがよい方法といえます。
砂糖を取りすぎる子供は非行に走りやすいとの考えは、最近では根拠のない話として完全に否定されています。砂糖を含めた糖質が、からだに影響を与えることは事実ですが、記憶力の回復、睡眠の改善、食欲のコントロール、交感神経への作用など、いずれも良い方向への影響です。逆に、子供から甘いものを取り上げてしまうと、精神面で不安定になるでしょう。
ブドウ糖は、脳の働きにとって欠くことのできない栄養素で
す。ブドウ糖の元となる糖質の摂取は、脳内のトリプトファンの取り込みを高め、セロトニンの合成を促進します。
セロトニンは、神経伝達物質として重要なものであり、気分を鎮める作用、睡眠を促す作用、食欲をおさえる作用があります。
私たちが健康を維持するためには、炭水化物、脂肪、たんぱく質、ミネラル、ビタミンという五つの栄養素が必要です。砂糖はエネルギー源としてとても重要な食品です。砂糖の摂取を制限することは、からだや神経にたいせつなエネルギー源を制限することにもなります。子供の健康な成長にとっても、砂糖をバランスよく摂取することが必要なのです。
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